洗濯機のクリーニングって自分でできるの?
どんな洗剤を使えばいいんだろう…
市販の洗濯槽クリーナーが手軽に買える今、洗濯機のクリーニングを自宅で試してみたい人は増えています。ただ、縦型とドラム式で手順が違ったり、臭いが取りきれなかったりと、やり方がわからず迷う場面も多いですよね。
そこでこの記事では洗濯機の種類ごとに、自分でできる洗濯機クリーニングのやり方を解説します。洗濯機を清潔に・キレイに保つ日常のメンテナンス方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 洗剤は塩素系か酸素系かで効果と用途が異なる
- 縦型・ドラム式それぞれに専用の清掃手順がある
- 月1回の槽洗浄で臭いと汚れの蓄積を防げる
洗濯機のクリーニング前に準備するもの

洗濯機の掃除を始める前に、道具と洗剤を揃えておくと作業がスムーズです。準備を怠ると途中で手が止まり、汚れが槽内に再付着するリスクがあります。
ここからは下記2つのクリーニング準備について解説します。
使う洗剤は塩素系か酸素系か
洗濯槽の掃除には、塩素系と酸素系の2種類のクリーナーが使われます。どちらを選ぶかで、落とせる汚れの種類と作業時間が大きく変わります。
塩素系クリーナーは、カビや雑菌を強力に分解・殺菌します。代表的な製品には「洗たく槽カビキラー」があり、短時間(1〜2時間)で完了するのが特徴です。ただし、汚れを浮かせる力が弱いため、剥がれた汚れを目視で取り除く作業には向いていません。
一方、酸素系クリーナーは、泡の力でカビや黒ずみを剥がし取ります。「オキシクリーン」などが代表例で、浮き上がった汚れをすくい取る達成感を得られます。ただし、作業時間が6〜12時間程度かかるため、時間に余裕があるときに使うのがおすすめです。
実際に酸素系クリーナーで初めて槽洗浄をしたところ、大量の黒いワカメ状の汚れが浮いてきて驚いたというケースがありました。こまめに掃除していても、内部には想像以上の汚れが潜んでいます。
用途別の選び方をまとめると次の通りです。
| 種類 | 主な用途 | 作業時間 | おすすめの人 |
|---|---|---|---|
| 塩素系 | カビ・雑菌の除菌 | 1〜2時間 | 短時間で済ませたい人 |
| 酸素系 | 黒カビ・汚れの剥離 | 6〜12時間 | 汚れをしっかり取り除きたい人 |
洗濯機がカビ臭い原因や対処法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

あると便利な掃除道具
洗剤だけでなく、細かいパーツの汚れを落とすための道具も用意しておくと安心です。最低限の道具を揃えるだけで、仕上がりの差が大きく出ます。
用意しておくと便利な道具は次の通りです。
- 古い歯ブラシ:フィルターや溝の細かい汚れを落とすのに最適
- 網じゃくし・洗濯ネット:酸素系クリーナー使用時に浮いた汚れをすくい取るのに使用
- 雑巾またはマイクロファイバークロス:ゴムパッキンや外装の水分と汚れを拭き取るのに使用
- バケツ:フィルターや部品を浸け置き洗いするときに使用
- ゴム手袋:塩素系クリーナーで手荒れを防ぐために使用
これらは100円ショップでも揃えられます。洗濯機の種類によって必要な道具が異なるため、次の手順を確認しながら準備してください。
【縦型】洗濯機を自分でクリーニングする手順

縦型洗濯機のクリーニングは、フィルターの手洗いから始まり、最終的にすすぎ運転で仕上げるまで4つのステップで完了します。手順を正しく踏めば、2〜3時間(酸素系クリーナーの場合は半日)で槽内を清潔にできます。
ここからは下記5つの縦型洗濯機クリーニング手順について解説します。
手順1:糸くずフィルターを外して洗う
クリーニングを始める前に、槽内の糸くずフィルターを取り外して洗います。フィルターに汚れが詰まったままでは、クリーナーの洗浄効果が十分に発揮されません。
まず洗濯機の電源を切り、フィルターを取り外します。フィルターはメーカーごとに取り付け位置が異なりますが、多くは槽の内側右奥に設置されています。
取り外したフィルターは、歯ブラシを使いながら水道水で丁寧に洗い流します。網目に詰まったほこりや繊維くずは水だけでは落ちにくいため、中性洗剤を少量つけて擦ると効果的です。汚れが落ちたら、水でよくすすいでから元に戻します。
手順2:洗濯槽にクリーナーを入れて回す
フィルターを戻したら、洗濯槽にクリーナーを入れて運転します。このとき、水量を最大に設定して高水位で回すのが、クリーナーの洗浄力を最大限引き出すコツです。
具体的な手順は次の通りです。
- 洗濯槽に高水位まで水(または40〜50℃のぬるま湯)を溜める
- クリーナーを規定量投入する(使い過ぎは逆効果になるため量を守る)
- 「洗い」モードで5〜10分ほど回す
- 塩素系の場合はそのまま1〜2時間放置する、酸素系の場合は6〜12時間放置する
酸素系クリーナーを使う場合は、放置中に1〜2時間おきに数分ずつ「洗い」運転を追加するとより効果的です。泡立ちが強い場合は追加の運転を省いても構いません。
手順3:浮いた汚れをすくい取る
放置が終わったら、槽内に浮いてきた汚れをすくい取ります。このステップを省略すると、浮いた汚れが排水口に詰まり、新たなトラブルの原因になります。
酸素系クリーナーを使った場合は、黒いワカメ状や茶色いカスのような汚れが大量に浮いてきます。網じゃくしや洗濯ネットを使い、浮遊している汚れをできるだけすくい取ってください。
塩素系クリーナーを使った場合は、カビが溶けて分解されるため目に見える汚れが少ないですが、それでも念のため表面を確認してから排水します。
手順4:すすぎ運転で仕上げる
汚れをすくい取ったら、「脱水→洗い→すすぎ→脱水」のフルコースを1〜2回実施して仕上げます。すすぎが不十分だと、クリーナーの成分が槽内に残り、次回の洗濯物に影響する可能性があります。
すすぎ運転が終わったら、槽内に汚れが残っていないかを目視で確認します。汚れが残っている場合は、もう1回フルコースの運転を繰り返します。
最後にフタを開けたまま1時間以上乾燥させて、作業完了です。
臭いが残る場合:排水口・洗剤量も見直す
槽洗浄をしても臭いが取れない場合は、排水口の汚れや洗剤の使い過ぎが原因であるケースが多いです。
排水口は洗濯機の真下に設置されているため、普段掃除が行き届きにくい場所です。洗濯機を少しずらし、排水口のふたを外してみてください。ヌメリや黒ずみが見られる場合は、パーツを取り外してパイプユニッシュなどの排水管クリーナーで洗浄します。
また、洗剤の入れ過ぎも臭いの原因になります。洗剤が溶けきらずに槽内に残ると、雑菌の栄養源になってしまうためです。洗剤は製品に記載された規定量を守り、柔軟剤の入れ過ぎにも注意してください。
実際に「槽洗浄をしても生乾き臭が消えない」と悩んでいた人が、排水口を掃除したことで臭いが解消したというケースがありました。槽内だけでなく、周辺部品まで見直すことが重要です。
【ドラム式】洗濯機を自分でクリーニングする手順

ドラム式洗濯機は縦型と構造が異なるため、専用の手順で掃除する必要があります。フィルターの種類が多く、ゴムパッキンのカビに気をつけることが縦型との最大の違いです。
ここからは下記4つのドラム式洗濯機クリーニング手順について解説します。
ドラム式洗濯機が臭い原因や解決法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

手順1:乾燥/排水フィルターを掃除する
ドラム式洗濯機には、乾燥フィルターと排水フィルターの2種類があります。両方のフィルターを定期的に掃除しないと、乾燥効率の低下や排水不良につながります。
乾燥フィルターは扉の上部か側面にある引き出し式のパーツで、毎回使用後に掃除するのが理想です。取り外したフィルターは、ティッシュやブラシで表面のほこりをかき取り、目詰まりがある場合は水洗いします。乾燥フィルターは完全に乾かしてから戻してください。
排水フィルター(コインフィルター)は機器の前面下部にある円形のパーツです。月1回程度、水受け容器をあてがいながらゆっくり取り外し、内部の異物を取り除きます。糸くずや小銭などが溜まっていることがあるため、忘れずに確認してください。
ドラム式乾燥機で乾かすと臭い原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

手順2:ゴムパッキンの汚れを拭き取る
ドラム式洗濯機の扉周辺にあるゴムパッキンは、水分が溜まりやすくカビが発生しやすい部位です。ゴムパッキンの黒カビを放置すると、洗濯物に臭いや黒ずみが移ることがあります。
ゴムパッキンの掃除手順は次の通りです。
- ゴム手袋を着用する
- マイクロファイバークロスや雑巾を水でしっかり濡らす
- パッキンの折り目の内側まで指を入れ、汚れを丁寧に拭き取る
- カビが黒く残っている場合は、キッチン用塩素系漂白剤(カビキラー等)を綿棒につけて塗布する
- 10〜15分放置してから水拭きで仕上げる
カビキラーをゴムパッキンに使用する際は、原液が直接ゴムに長時間触れないよう注意してください。ゴムが劣化する原因になります。
手順3:槽洗浄コースでクリーナーを回す
フィルターとパッキンの掃除が終わったら、槽洗浄コースを使ってクリーナーを回します。ドラム式専用の洗濯槽クリーナーを使うことが、槽へのダメージを防ぐうえで重要です。
多くのドラム式洗濯機には「槽洗浄コース」や「洗濯槽クリーン」といった専用プログラムが搭載されています。このコースを利用すると、クリーナーの投入量や運転時間が自動で設定されるため便利です。
手順は次の通りです。
- 洗濯槽に何も入っていないことを確認する
- ドラム式対応の洗濯槽クリーナーを規定量投入する
- 「槽洗浄コース」を選択してスタートする
- コースが終わったら扉を開けて内部を確認する
縦型と異なり、ドラム式は水量が少ないため汚れが大量に浮くことはあまりありません。ただし、塩素系クリーナーを使用した場合でも、コース終了後は一度「すすぎ運転」を追加で実施することをおすすめします。
臭いが残る場合:排水口・洗剤量も見直す
槽洗浄後も臭いが続く場合は、縦型と同様に排水口と洗剤量を確認します。ドラム式は特に「液体洗剤の入れ過ぎ」が臭いの原因になりやすい機種です。
ドラム式洗濯機の洗剤投入口(ディスペンサー)は汚れが溜まりやすい場所です。引き出しを取り外し、水洗いするだけで臭いが改善するケースがあります。
消費者庁の注意喚起でも、洗濯洗剤の過剰投入は洗濯機内部の汚れ蓄積を招くと指摘されており、適正量を守ることが清潔維持の基本となります。
実際に洗剤投入口の定期的な掃除を始めてから、ドラム式特有の生乾き臭がなくなったというケースがありました。見落とされがちな場所ほど、汚れが溜まりやすいものです。
洗濯機を清潔/キレイに保つ日常メンテナンス

クリーニングで一時的に汚れを落としても、日頃のメンテナンスを怠ると汚れはすぐに戻ってきます。継続的なケアが、洗濯機を長く清潔に使いこなすための最大のポイントです。
ここからは下記3つの日常メンテナンス方法について解説します。
使用後はフタを開けて乾燥させる
洗濯が終わったら、フタを開けて槽内を乾燥させる習慣をつけましょう。フタを閉めたままにすると槽内の湿気が逃げず、カビが繁殖しやすい環境が続きます。
パナソニックの公式サポート情報でも、使用後は扉を開けて換気することがカビ予防に有効と案内されています。
洗濯後は、ドアを少し開けて庫内を乾燥させてください。
パナソニック 洗濯機・洗濯乾燥機 よくあるご質問
縦型の場合はフタを全開に、ドラム式の場合は扉を10cmほど開けた状態にしておくだけで十分です。ドラム式でフタを大きく開けすぎると、家の中での動線を妨げる場合があるため、少し開ける程度で問題ありません。
洗濯後にすぐにフタを閉めていた人が、開放するだけで2週間後には嫌な臭いが気にならなくなったというケースがありました。コストゼロで実践できる最も手軽なカビ対策です。
月1回の槽洗浄を習慣にする
月1回の頻度で槽洗浄を実施すると、黒カビや雑菌の蓄積を予防できます。1回あたり数百円のコストで済むため、コストパフォーマンスの高いメンテナンス手段です。
花王の調査によると、洗濯槽内部に黒カビが繁殖するまでの期間は使用頻度や環境によって異なりますが、定期的な槽洗浄なしに6か月以上使い続けると高い確率でカビが検出されるとされています。月1回の槽洗浄を実施することで、衣類への雑菌の付着リスクを大幅に抑えられます。
カレンダーに「槽洗浄の日」を設定するか、洗濯機本体のメンテナンスリマインダー機能を活用すると継続しやすくなります。
洗剤の適量を守る
洗剤は「多く入れるほどきれいになる」と思われがちですが、規定量を超えた使用は逆効果です。溶け残った洗剤が槽内に蓄積し、カビや臭いの原因になります。
特に液体洗剤は計量カップを使わず「目分量」で入れてしまうケースが多いため注意が必要です。また、洗濯物の量が少ないときは洗剤量も少なく調整することが重要です。
粉末洗剤の場合は、使用量が多すぎると完全に溶けきらず、槽内に残りやすいためとくに注意してください。水温が低い冬場は粉末洗剤が溶けにくいため、ぬるま湯で事前に溶かしてから投入する方法もおすすめです。
自分でクリーニングしても改善しない場合は?

手順通りにクリーニングしても臭いや汚れが取れない場合は、個人で対処できる限界を超えているサインです。状態によっては、プロのクリーニング業者への依頼を検討することが、結果的に時間とコストの節約につながります。
ここからは下記2つの対処方針について解説します。
プロに依頼するのも手段の1つ
プロの洗濯機クリーニングは、専用の機材と洗剤を使い、自分では分解できない内部パーツまで徹底的に洗浄するサービスです。市販のクリーナーでは届かない槽の裏側や配管内部まで清潔にできるのが、最大のメリットです。
主要なハウスクリーニング業者の料金相場は次の通りです。
| 機種 | 料金相場 |
|---|---|
| 縦型洗濯機 | 1万2,000〜1万5,000円前後 |
| ドラム式洗濯機 | 1万9,000〜2万5,000円前後 |
作業時間はおよそ1.5〜3時間で、完了後すぐに使用できます。1〜2年に1度のペースでプロに依頼し、その間は自分でのメンテナンスを続けるというサイクルが、コスト面でも衛生面でも合理的です。
洗濯機クリーニングを頼んだ結果どうなったのか、体験談を詳しく知りたい人は次の記事を参考にしてください。

プロに頼むべき状態の目安
次のいずれかに当てはまる場合は、プロへの依頼を検討してください。
- 槽洗浄を3回以上繰り返しても黒いカビが浮いてくる
- 洗濯後の衣類から毎回異臭がする
- 購入から3年以上、1度もクリーニングをしていない
- ドラム式でゴムパッキンの根元に黒カビが深く入り込んでいる
- 排水不良が繰り返し起きる
とくに「洗濯物に黒いカスが付着する」症状は、槽内部に相当量のカビが蓄積しているサインです。この状態になると、市販のクリーナーだけでは完全な除去が難しくなります。
実際に2〜3年間クリーニングなしで使い続けたドラム式洗濯機を、プロに分解クリーニングしてもらった際、洗濯槽の裏側に1cm近い黒カビの層が形成されていたというケースがありました。日頃のメンテナンスで手が届かない部分ほど、汚れの蓄積は深刻になります。
また、「修理vs買い替え」の判断軸として、購入から8〜10年が経過した洗濯機でカビの臭いが改善しない場合は、クリーニングより買い替えを検討するほうが長期的にコストが低くなるケースもあります。
洗濯機の買い替えとクリーニングを選ぶ判断基準を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

まとめ
洗濯機の自分でできるクリーニングは、適切な手順と洗剤選びで十分に効果を発揮します。以下のポイントを改めて確認しておきましょう。
- 塩素系は短時間で除菌、酸素系は汚れを剥がし取る効果がある
- 縦型はフィルター洗浄→クリーナー投入→汚れのすくい取り→すすぎの4ステップで完了
- ドラム式は乾燥・排水フィルターとゴムパッキンの掃除を先に行い、専用コースで仕上げる
- 使用後のフタ開け・月1回の槽洗浄・洗剤の適量使用が日常メンテナンスの基本
- 繰り返し掃除しても改善しない場合はプロへの依頼が最適な選択
毎日使う洗濯機だからこそ、定期的なケアが衛生と家電の寿命の両方を守ります。今日からできる簡単なフタ開けの習慣を、まず1つ実践してみてください。

