洗濯機の電源を入れたのに水が出ない…どうして?
蛇口は開いているはずなのに、なぜか給水されない
洗濯物を入れてスタートを押したのに、洗濯機が動き出さないまま止まってしまった経験はありませんか。水が出ない原因は複数あり、自分で5分以内に解決できるケースと、部品交換が必要なケースに分かれます。
ただ、どの原因に当てはまるかを知らないまま触ると、状態を悪化させることもあります。
そこでこの記事では、洗濯機の水が出ない原因を解説します。原因に対する対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 水が出ない原因の多くは蛇口や給水ホースなど自分で対処できる
- 給水弁・基板の故障は部品交換費用が1〜2万円かかる
- 10年超の洗濯機は買い替えがお得
洗濯機の水が出ない7つの原因

洗濯機に水が供給されない場合、原因は大きく7つに分類できます。
ここからは下記7つの水が出ない原因を解説します。
蛇口が閉まっている・開きが不十分
最も多い原因が、蛇口が完全に閉まっているか、開きが不十分なケースです。洗濯機の蛇口は、掃除や引っ越し後に閉めたまま放置されがちです。
蛇口が半開きの状態でも、水圧が低いと洗濯機が給水不足と判断してエラーを出します。蛇口は必ず全開にする必要があります。
実際に引っ越し後に蛇口を開け忘れたまま洗濯機を使おうとして、エラーコードが表示されたケースがありました。
緊急止水弁が作動している
給水ホースが外れたときに水漏れを防ぐ安全装置が「緊急止水弁」です。内部のボールが水路を塞ぐ仕組みで、ホースが正しく接続されていないと弁が閉じたままになります。
緊急止水弁は主に全自動洗濯機のホース接続部に内蔵されています。ホースを外した後に再接続するとき、押し込みが甘いと弁が解除されません。
給水ホースの折れ・詰まり
給水ホースが折れ曲がっていたり、内部に異物が詰まっていたりすると、水の通り道がふさがれます。洗濯機を壁際に近づけすぎたときに、ホースが圧迫されて折れるケースが多いです。
ホース内部に砂や錆びが蓄積すると、徐々に水量が減り、ある日突然給水が止まることもあります。
給水フィルターの目詰まり
給水ホースと洗濯機本体の接続部には、ゴミや錆びを取り除く給水フィルター(メッシュ状のフィルター)が設置されています。フィルターが詰まると水量が著しく低下し、給水エラーに発展します。
フィルターの目詰まりは数年使用した洗濯機で多く見られます。水道管が古い住宅では錆びが混入しやすく、詰まりの進行が速いです。
実際に5年使用した洗濯機で突然給水が止まり、フィルターを外したところ真っ茶色に変色していたケースがありました。清掃後は正常に動作したとのことです。
洗濯機の給水が弱い原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

水道側のトラブル(断水・凍結)
洗濯機ではなく、水道側に問題があるケースもあります。地域の断水や工事による一時的な断水で給水が止まることがあります。
また、気温が-4度以下になると水道管や蛇口が凍結し、水が出なくなります。とくに北海道や東北など寒冷地では冬季に多発します。
国土交通省の資料によると、水道管の凍結は気温が-4度以下で3時間以上続いた場合に発生リスクが高まります。
給水弁の故障
給水弁(電磁弁)は、電気信号を受けて水の流れを制御する部品です。給水弁が故障すると、蛇口や水道が正常でも水が流れてきません。
製造から5〜8年が経過した洗濯機で見られやすく、異音(カチカチという音がしない場合)も故障のサインです。
洗濯機の水の出が悪い給水弁の原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

基板の不具合
基板(制御基板)は、洗濯機の動作全体を制御する部品です。基板が不具合を起こすと給水弁への指示が出なくなり、水が来なくなります。
基板の不具合は自分では修理できないため、メーカーや業者への依頼が必須です。
基板の故障原因として多いのは、電源サージや結露による腐食、そして経年劣化です。エラーコードが表示されているにもかかわらず、他の部品に問題が見当たらない場合は基板の故障が原因です。
水が出ない洗濯機への対処法

原因が特定できたら、順を追って対処します。自分でできる対処法を先に試すのがコストを抑えるコツです。
ここからは下記5つの対処法を解説します。
対処1:蛇口を全開にする
蛇口を全開にするのが、最初に確認すべき対処法です。半開き状態が原因の場合は、これだけで給水が再開します。
手順は次のとおりです。
- 洗濯機の電源を切る
- 洗濯機裏側または横の壁に設置された蛇口を探す
- 蛇口を反時計回りに止まるまで回して全開にする
- 電源を入れて通常どおりスタートする
蛇口の種類によっては「ニップル(蛇口取り付け金具)」がついているタイプもあります。ニップルのネジが緩んでいると水漏れの原因になるため、全開にする前に4本のネジが締まっているか確認してください。
対処2:緊急止水弁を解除する
緊急止水弁が作動している場合、給水ホースを正しく接続し直すことで解除できます。
手順は次のとおりです。
- 洗濯機の電源を切り、蛇口を閉める
- 給水ホースを洗濯機本体から外す
- ホース先端の内側に突起(ピン)がないか確認する
- ホース先端を洗濯機の給水口にまっすぐ押し込み、「カチッ」という音がするまで差し込む
- 蛇口を開けて水漏れがないか確認する
ホースを接続する際は、斜めに差し込まず垂直に押し込むのがポイントです。斜め挿入では緊急止水弁が解除されず、水が出ないままになります。
実際に給水ホースを一度外して掃除した後、差し込みが甘かったために緊急止水弁が解除されず、水が出なくなったケースがありました。再度しっかり押し込んで解決したとのことです。
対処3:給水ホースの状態を確認する
給水ホースの折れや詰まりを確認し、問題があれば修正または交換します。
確認手順は次のとおりです。
- 洗濯機の電源を切り、蛇口を閉める
- 洗濯機を壁から10〜15cm程度離す
- 給水ホースを目視で確認し、折れ・ねじれ・つぶれがないかチェックする
- ホースを外し、中に水を通して詰まりがないか確認する
- 問題があれば新しいホースに交換する
給水ホースの交換費用は1,000〜2,000円程度で、ホームセンターで購入できます。ホースのサイズは洗濯機のメーカーや型番で異なるため、購入前に確認が必要です。
ホースを交換するだけで給水が正常に戻るケースは多く、コストを抑えて解決できる対処法のひとつです。
対処4:給水フィルターを掃除する
給水フィルターの目詰まりは定期的な清掃で解消できます。清掃の手順は次のとおりです。
- 洗濯機の電源を切り、蛇口を完全に閉める
- 給水ホースを洗濯機本体側の接続口から外す(水が少量こぼれるためタオルを準備する)
- 接続口の内側にある小さなメッシュフィルターをピンセットや爪楊枝で取り出す
- 水で洗い流し、詰まりがひどい場合は古い歯ブラシで軽くこする
- フィルターを戻し、ホースを再接続して蛇口を開ける
フィルターが変形・破損している場合は交換が必要です。純正フィルターはメーカーに問い合わせるか、家電量販店で500〜1,000円程度で購入できます。
フィルターの清掃は半年に1回を目安に行うのがおすすめです。とくに築年数が古い建物では水道管の錆びが出やすく、詰まりの頻度が上がります。
対処5:断水・凍結していないか確認する
洗濯機以外に原因がある場合の確認方法を解説します。
断水の確認手順は次のとおりです。
- 台所や浴室など他の蛇口から水が出るか確認する
- 水が出ない場合は地域の断水情報を確認する(水道局の公式サイトや自治体のお知らせで確認できる)
- 断水が解消されてから洗濯機を使用する
凍結の確認・対処手順は次のとおりです。
- 気温が-4度以下になった翌朝など、寒い日に水が出ない場合は凍結を疑う
- 蛇口や給水ホース、洗濯機の給水口に40〜50度のぬるま湯をかけて温める
- 熱湯をかけると部品が破損するため、必ずぬるま湯を使用する
- 解凍後は水漏れがないか確認してから使用する
凍結予防策として、冬季は洗濯機の水抜きをしておくのがおすすめです。洗濯機内の水が凍ると排水弁の破損につながることもあります。
対処しても洗濯機の水が出ない場合は

自分でできる対処法を試してもなお水が出ない場合、給水弁か基板など内部部品の故障が原因です。修理業者またはメーカーへの連絡が必要になります。
ここからは下記2つの修理・買い替えの判断基準を解説します。
洗濯機を修理する際の費用相場を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

部品交換は1〜2万円が相場
給水弁や基板の交換費用の目安は次のとおりです。
| 部品 | 部品代 | 作業工賃 | 合計目安 |
|---|---|---|---|
| 給水弁(電磁弁) | 3,000〜8,000円 | 5,000〜8,000円 | 8,000〜1万6,000円 |
| 制御基板 | 1万〜3万円 | 5,000〜8,000円 | 1万5,000〜3万8,000円 |
| 給水ホース | 1,000〜2,000円 | 不要(自分で交換可) | 1,000〜2,000円 |
給水弁の交換であれば1〜2万円以内に収まるケースが多く、修理の費用対効果は高いといえます。ただし制御基板の交換は3万円を超えることもあり、新品洗濯機の購入と比較が必要になります。
メーカーの出張修理の場合、出張費が別途3,000〜5,000円かかることも覚えておきましょう。
修理・買い替えの判断基準
修理か買い替えかを判断するには、主に「洗濯機の年数」と「修理費用」の2つで考えます。
年数による目安は次のとおりです。
- 製造から6年未満:修理がおすすめ
- 製造から6〜10年:修理費用と比較して判断
- 製造から10年超:買い替えがおすすめ
洗濯機の税務上の法定耐用年数は6年です(国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)。これは減価償却のための区分であり、6年で使えなくなるという意味ではありません。
内閣府の消費動向調査(2024年3月実施)によると、洗濯機の平均使用年数は約10〜10.9年です。
修理費用による目安として、「修理費用が新品購入価格の50%以上なら買い替えが経済的」という考え方が広く知られています。米国の消費者情報誌Consumer Reportsなどに由来する民間の目安であり、公的機関が定めた基準ではありません。ただし、判断材料として活用できます。
たとえば、購入価格が6万円の洗濯機であれば、修理費用が3万円を超えるなら買い替えを検討するタイミングといえます。
また、修理を繰り返しているケースも注意が必要です。
実際に8年使用した洗濯機で給水弁を修理したが、その半年後に排水弁も故障し、結局2回分の修理費が新品購入額に近づいてしまったケースがありました。故障が続く場合は早めに買い替えを検討するほうが、トータルコストを抑えられます。
修理を依頼する場合は、次の順番で連絡先を選ぶのがおすすめです。
- 保証期間内(一般的に購入から1〜2年):メーカーの修理窓口に連絡する
- 保証期間外・メーカー対応不可:地元の家電修理業者に依頼する
- 部品が廃番で修理不可の場合:新品または中古品への買い替えを検討する
メーカー修理は純正部品を使うため品質面では安心ですが、費用が高めになる傾向があります。地元の家電修理業者は費用を抑えられる場合があるため、複数社に見積もりを取るのが賢明です。
まとめ
洗濯機の水が出ない原因と対処法をまとめます。
| 原因 | 対処法 | 難易度 |
|---|---|---|
| 蛇口が閉まっている | 蛇口を全開にする | 簡単 |
| 緊急止水弁の作動 | ホースを正しく接続し直す | 簡単 |
| 給水ホースの折れ・詰まり | ホースを交換(1,000〜2,000円) | 普通 |
| 給水フィルターの詰まり | フィルターを清掃・交換する | 普通 |
| 断水・凍結 | 断水確認・ぬるま湯で解凍する | 普通 |
| 給水弁の故障 | 業者に部品交換を依頼する | 業者対応 |
| 基板の不具合 | 業者に修理・交換を依頼する | 業者対応 |
水が出ないトラブルの多くは、蛇口の開け忘れや給水ホースの接続ミスなど、自分で5分以内に解決できる原因です。まずは蛇口の確認・給水ホースの状態・フィルターの詰まりの3点を順番にチェックしてください。
それでも解決しない場合は、給水弁または基板の故障が原因です。製造から10年以上経過している洗濯機であれば、修理費用と新品購入費用を比較した上で買い替えを検討するのがおすすめです。

