重曹で洗濯機の臭いが取れるって本当?
やり方を間違えると洗濯機が壊れそうで怖い…
重曹を使って洗濯機の臭いを取ろうとしているものの、正しいやり方がわからず手が止まっている人は多いですよね。
ただ、重曹には「効く臭い」と「効かない臭い」があり、やり方を誤ると洗濯機の故障につながるリスクもあります。
そこでこの記事では、実際の使用経験もふまえながら、重曹で洗濯機の臭い取りを取る手順を解説します。重要を使う際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 重曹はアルカリ性で皮脂・汗の臭いに効果的
- ドラム式は一部メーカーで重曹の使用が禁止されている
- 3回試しても改善しない場合はプロの分解洗浄が最適
重曹は洗濯機の臭い取りに効果あり

重曹は洗濯機の臭い取りに一定の効果を発揮します。ただし、すべての臭いに効くわけではないため、臭いの種類を見極めることが重要です。
ここからは次の2つの重曹の働きについて解説します。
重曹で取れる臭いと取れない臭い
重曹で取れる臭いと取れない臭いは、臭いの原因物質の性質によって分かれます。
重曹はアルカリ性のため、酸性の汚れを中和する働きを持ちます。洗濯機の臭いのうち、皮脂や汗が原因の酸っぱい臭いは酸性に分類されるため、重曹での中和が有効です。
一方、カビが原因のカビ臭さや、排水口から逆流してくる下水臭は、アルカリ性では対処しきれません。これらは専用のカビ取り剤や塩素系洗濯槽クリーナーが必要です。
臭いの種類ごとに整理すると、次のとおりです。
- 重曹が効く臭い:皮脂・汗由来の酸っぱい臭い、洗い残し洗剤の臭い
- 重曹では取れない臭い:カビ臭さ、下水臭、生乾き臭(雑菌が原因)
まず臭いの種類を見極めてから、重曹を使うかどうか判断してください。
重曹が臭い取りに効くメカニズム
重曹(炭酸水素ナトリウム)は、水に溶けると弱アルカリ性(pH約8.2)を示します。
酸性の臭い成分と接触すると、中和反応によって臭いの元となる物質が別の無臭の物質に変化します。これが重曹の消臭効果の仕組みです。
また、重曹には微細な研磨作用もあります。洗濯槽の内壁に付着した皮脂汚れを物理的にこすり取る働きもあるため、消臭と汚れ落としを同時に行える点が特長です。

加えて、重曹は食品添加物としても使われる安全性の高い物質です。化学系のクリーナーに抵抗がある人にとっても使いやすい選択肢といえます。
重曹で洗濯機の臭いを取るやり方

重曹を使った臭い取りは、洗濯機の種類によって手順が異なります。間違った手順で使うと溶け残りや詰まりの原因になるため、洗濯機の種類に合った方法を確認してください。
ここからは次の3つの手順について解説します。
用意する重曹の種類と分量目安
洗濯機の臭い取りに使う重曹は、食品用・掃除用どちらでも構いません。ただし、純度の高い食品用グレードのほうが不純物が少なく安心です。
ドラッグストアや100円ショップで手軽に入手できます。500g入りで100〜200円程度が相場です。
使用量の目安は次のとおりです。
- 縦型洗濯機(7〜10kg容量):重曹100〜200g
- ドラム式洗濯機(7〜10kg容量):重曹50〜100g(使用可能な機種のみ)
重曹は粒が細かいほど水に溶けやすく、詰まりのリスクを抑えられます。粒が粗いタイプは、事前にぬるま湯(40℃程度)で溶かしてから投入してください。
縦型洗濯機での手順
縦型洗濯機は、重曹を直接投入しやすく、最も重曹クリーニングに向いている洗濯機です。手順は次のとおりです。
- 洗濯槽に40℃程度のぬるま湯を「高水位」まで貯める
- 重曹100〜200gを洗濯槽に直接投入する
- 「洗い」コースで3〜5分回して重曹を溶かす
- そのまま1〜2時間つけ置きする
- 「すすぎ→脱水」コースを2回以上実行する
- 浮き上がった汚れをネットやゴミ取り袋で取り除く
つけ置き中に黒いカス状の汚れが浮いてくることがあります。これは洗濯槽の裏側に蓄積していた汚れです。取り残しがないよう、すすぎは必ず2回以上行ってください。
洗濯槽クリーニングコースが搭載されている機種は、手順4以降をそのコースで代用しても問題ありません。
ドラム式洗濯機での手順
ドラム式洗濯機で重曹を使う場合、縦型とは異なる注意が必要です。後述しますが、メーカーによっては重曹の使用を禁止しているため、まず取扱説明書を確認してください。
使用可能な機種での手順は次のとおりです。
- 重曹50〜100gをぬるま湯(40℃)200mlに溶かしてペースト状または液状にする
- 溶かした重曹液を洗剤投入口から入れる(ドラムへの直接投入は詰まりの原因になるため禁止)
- ドラムに水を貯めず、「槽洗浄コース」または「洗いのみコース」を選択して実行する
- コース終了後、「すすぎ→脱水」を1〜2回追加で実行する
ドラム式は水の使用量が少ないため、重曹が溶けきらないリスクが高いです。必ず事前に液状にしてから投入してください。
また、槽洗浄コースがない機種では、最も水量が多い設定のコースを選んでください。
ドラム式洗濯機が臭い原因や解決法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

重曹で洗濯機の臭いを取る際の注意点

重曹を使った洗濯槽の掃除は手軽ですが、誤った使い方をすると故障や事故につながるケースがあります。
ここからは次の4つの注意点について解説します。
ドラム式は使用NGのメーカーがある
重曹の使用を公式に禁止しているメーカーがある点は、とくに注意が必要です。
パナソニックは公式サポートページで、洗濯機への重曹・クエン酸・酸素系漂白剤の使用を推奨していません。理由として、溶け残りによるポンプ詰まりや、排水経路の劣化を挙げています。
日立・シャープ・東芝も、重曹の使用について明示的な推奨を行っていない機種が多くあります。
必ず取扱説明書またはメーカーの公式サイトで、使用可能かどうかを確認してから実施してください。
禁止されている洗濯機に使ってしまうと、メーカー保証の対象外になる可能性もあります。確認が取れない場合は、メーカー推奨の専用洗濯槽クリーナーを選ぶのが安全です。
溶け残りが詰まりの原因になる
重曹は水に完全に溶けにくい性質を持っています。溶け残った重曹の粒が排水ホースや排水ポンプに詰まると、排水不良や故障につながります。
溶け残りを防ぐための対策は次のとおりです。
- 40℃程度のぬるま湯で事前に溶かしてから投入する
- 一度に大量に入れず、規定量を守る
- 投入後は必ず「洗い」コースを数分回して確認する
- すすぎを2回以上実施して残留物を排出する
粒が粗い重曹は溶けにくいため、細かい粉末タイプを選ぶと安心です。
また、縦型洗濯機でも冬場など水温が低い季節は溶けにくくなります。季節を問わずぬるま湯での事前溶解を習慣にするとリスクを抑えられます。
塩素系クリーナーとは混ぜない
重曹と塩素系クリーナー(塩素系漂白剤・カビキラーなど)を同時に使うことは避けてください。
塩素ガスが発生するのは、塩素系クリーナー(次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする製品)と酸性の洗剤・物質(クエン酸・酢・サンポールなど)を混合した場合です。重曹は弱アルカリ性のため、塩素系クリーナーと混合しても塩素ガスは発生しません。
ただし、重曹(弱アルカリ性)と塩素系クリーナー(アルカリ性)を同時に使うと、それぞれの洗浄効果が低下するため、同時使用は意味がありません。
重曹でのケアと塩素系クリーナーでのケアを両方行いたい場合は、次の手順を守ってください。
- 重曹で掃除を行う
- すすぎを2〜3回行い、洗濯槽内に重曹が残っていない状態にする
- 数日〜1週間ほど間隔を空ける
- その後に塩素系クリーナーを使用する
なお、塩素系クリーナーと「酸性の洗剤(クエン酸・酢など)」を混合すると塩素ガスが発生し、目・鼻・喉の粘膜を刺激する健康被害をもたらします。酸性の洗剤との混合は絶対に避けてください。
実施は月1回を目安にする
重曹での洗濯槽ケアは、月1回程度が適切な頻度です。
頻度が少なすぎると汚れや臭いが蓄積しますが、やりすぎると洗濯槽のゴムパーツや塗装を傷める可能性があります。
東京ガスのウェブサイト「くらし情報メディア」では、洗濯槽の掃除の目安として月1回程度を推奨しています。洗濯機を毎日使う家庭では月1回を守り、週3〜4回程度の使用頻度なら2カ月に1回でも問題ありません。
月1回の定期ケアを習慣にすることで、臭いが気になる前に予防できます。
臭いが気になり始めてから重曹を使うと、1回では落としきれないケースが増えます。定期的なケアが、掃除の手間を長期的に減らす最善策です。
重曹で洗濯機の臭いが取れないときの対処法

重曹を試しても臭いが残る場合、臭いの原因が重曹では対処できないものである可能性が高いです。臭いの種類を正確に特定することが、解決への最短ルートです。
ここからは次の2つの対処法について解説します。
対処法も交え、洗濯機が焦げ臭い原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

臭いの原因を特定する
洗濯機の臭いは、主に次の3つが原因として考えられます。
カビ臭さ:洗濯槽の裏側にカビが繁殖している

カビ臭さは重曹では取れません。塩素系の洗濯槽クリーナーを使い、槽洗浄コースで長時間つけ置きすることが有効です。市販品では「洗濯槽カビキラー」や「槽洗浄クリーナー」が代表的な製品です。
下水臭:排水トラップの水が蒸発している
洗濯機の排水口には、悪臭の逆流を防ぐためのトラップ(水の蓋)が設けられています。長期間使わないとトラップの水が蒸発し、下水臭が室内に入り込みます。排水口に水を少量流し込むだけで解消することが多いです。

生乾き臭:雑菌が洗濯物や洗濯槽に繁殖している
生乾き臭の原因は、モラクセラ菌などの雑菌です。重曹では除菌力が弱いため、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウム)や除菌効果のある洗濯洗剤への切り替えが効果的です。
臭いの種類を特定した上で、適切な対処法を選ぶことが重要です。
洗濯機がカビ臭い原因や対処法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

洗濯機が下水臭い原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

3回試してダメならプロの分解洗浄へ
重曹や市販の洗濯槽クリーナーを3回以上試しても臭いが改善しない場合は、プロの分解洗浄を依頼するタイミングです。
洗濯槽の裏側には、洗剤カスや皮脂・カビが長年にわたって蓄積します。市販クリーナーでは届かない部分の汚れが臭いの根本原因になっているケースが多くあります。
プロの分解洗浄では、洗濯槽を取り外した上で内部を直接清掃します。市販クリーナーでは取れない槽裏の黒カビを物理的に除去できる点が最大のメリットです。

費用の目安は次のとおりです。
- 縦型洗濯機:1万5,000〜2万5,000円程度
- ドラム式洗濯機:2万〜3万5,000円程度
ハウスクリーニングの大手サービスとして、おそうじ本舗やダスキンなどが洗濯機クリーニングを提供しています。また、くらしのマーケットのようなプラットフォームを使えば、口コミや価格を比較しながら依頼先を選べます。
洗濯機の使用年数が8年以上の場合、分解洗浄と同時に買い替えの検討もおすすめです。年数が経った洗濯機はクリーニング後も別の故障が起きやすくなります。
まとめ
重曹は、皮脂・汗由来の酸っぱい臭いに対して有効な消臭剤です。ただし、カビ臭や下水臭には効果がなく、臭いの原因に合わせた対処が必要です。
洗濯機の種類に応じた手順の違いや、ドラム式洗濯機でのメーカー確認の必要性も忘れずに押さえてください。塩素系クリーナーと酸性の洗剤(クエン酸・酢など)を混合すると塩素ガスが発生するため、絶対に混ぜないよう注意してください。
月1回の定期ケアを習慣にすることで、臭いの蓄積を予防できます。3回試しても改善しない場合は、プロの分解洗浄を早めに依頼するのがベストな判断です。
この記事のポイントを振り返ると、次のとおりです。
- 重曹はアルカリ性で皮脂・汗の酸っぱい臭いを中和する
- ドラム式は一部メーカーで使用禁止のため、必ず取扱説明書を確認する
- 重曹と塩素系クリーナーを同時に使うと洗浄効果が低下するため、間隔を空けて使用する
- 塩素ガスが発生するのは塩素系クリーナーと酸性の洗剤(クエン酸・酢など)を混合した場合のため、酸性洗剤との混合は絶対に避ける
- 月1回の定期ケアで臭いを予防できる
- 3回試して改善しない場合はプロの分解洗浄が最適

