脱水のたびに洗濯機がガタガタうるさくて困る…
これって故障?それとも自分で直せる?
脱水になると急に洗濯機が激しく揺れ出す、という経験は珍しくありません。特に集合住宅では騒音が気になり、「近所に聞こえていないか」と不安になることもありますよね。
そこでこの記事では、脱水時に洗濯機がガタガタする原因を解説します。自分でできる直し方や止まる場合の対処症も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 原因の大半は片寄り・脚のがたつき・詰め込みすぎで自分で対処できる
- 縦型は片寄り優先、ドラム式は輸送用ボルトを先に確認
- 使用10年超・修理費5万円超なら買い替えが有利
脱水時に洗濯機がガタガタする5つの原因

脱水中のガタガタには、はっきりした原因があります。大半は本体の設置状態か、洗濯物の入れ方が原因で、自分で対処できるケースがほとんどです。
ここからは下記5つの原因を解説します。
原因1:洗濯機本体の傾き・がたつき
洗濯機本体が水平に設置されていないことは、振動の最大の原因のひとつです。
脱水中は洗濯槽が高速回転するため、本体が少し傾いているだけで振動が数倍に増幅されます。床が微妙に歪んでいる場合や、防水パンの形状によっては設置当初から傾いているケースも少なくありません。
長年の使用で4本の脚のうち1本が浮いた状態になることもあります。脚が浮いていると、高速回転のたびに本体がわずかに跳ね上がり、床を打ちつける音が発生します。
実際に「新居に引っ越した直後から脱水の振動がひどく、床が斜めになっていたことが原因だった」というケースがありました。設置時に水平をきちんと確認することが大切です。
原因2:洗濯物の片寄り
洗濯槽の中で衣類が一方に偏った状態で脱水が始まると、槽の重心がずれて激しい振動が起きます。
バスタオルや毛布など大きくて水を含みやすいものは、脱水中に端に偏りやすい特徴があります。洗濯物の偏りによる振動は、最も頻繁に発生する原因です。
片寄りが起きると洗濯機が自動でバランスを取り直そうとしますが、うまくいかない場合は運転を一時停止することもあります。
原因3:洗濯物の詰め込みすぎ
容量を超えた洗濯物を入れると、衣類が均一に広がらず片寄りが起きやすくなります。

洗濯機の定格容量は「乾燥時の重量」で表記されており、水を含むと2〜3倍の重さになります。詰め込みすぎると脱水中に衣類が固まり、槽の一方に重心が集中して振動が激しくなります。
容量オーバーは洗浄力の低下にもつながります。振動防止と洗浄力向上の両面から、適正量を守ることが大切です。
原因4:内部部品の劣化・故障
長期間の使用によって、内部のサスペンション(緩衝装置)やダンパーが劣化することがあります。
サスペンションは洗濯槽を支えながら振動を吸収するパーツです。サスペンションが劣化すると振動を吸収できなくなり、本体全体が激しく揺れます。
公益社団法人全国家庭電気製品公正取引協議会のデータでは、洗濯機の補修用性能部品の保有期間は製造終了後6年と定められています。使用年数が長い機種ほど部品劣化のリスクが高まるため、洗濯物の偏りを修正しても振動が収まらない場合は内部部品の劣化を疑うことが重要です。
原因5:洗濯槽内部の異物
ポケットに入れたままのコインや小さなクリップが、洗濯槽と外槽の間に落ちることがあります。
異物が槽の内側に入り込むと、脱水中の高速回転で「カラカラ」「ガタガタ」という音が鳴り響きます。硬貨やヘアピンは特に異音の原因になりやすい異物です。
実際に500円硬貨が外槽との隙間に入り込み、槽に傷がついた状態で持ち込まれた修理事例がありました。洗濯前のポケット確認は、洗濯機の保護だけでなく衣類を守るためにも欠かせません。
洗濯機から異音がする原因と状況・音別の対処法を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

脱水時のガタガタを自力で直す方法

原因が特定できたら、自力で対処できる方法を試してみましょう。5つの対処法のうち、部品劣化以外は費用をかけずに改善できます。
ここからは下記5つの対処手順を解説します。
洗濯物を入れ直して片寄りを解消する
脱水中にガタガタし始めたら、一度電源を切り、洗濯物を手で均等に広げ直してから再スタートするのが基本の対処法です。
バスタオルなど大きなものは、槽の内側に沿って丸めながら均等に入れ直すと片寄りが起きにくくなります。大きいものと小さいものを交互に入れると、槽内のバランスが取れやすくなります。
特にバスタオル1枚だけなど少量洗濯は片寄りが起きやすいため、他の小物と一緒に洗うか、洗濯物を追加して重さのバランスを整えることがおすすめです。
水平を確認して脚の高さを調整する
本体の傾きを確認するには、洗濯機の上にスマートフォンの水準器アプリを置くのが手軽な方法です。
4本の脚はそれぞれ手で回すことで高さを調整できる構造になっています。脚を1〜2mm単位で調整するだけで振動が大幅に改善されるケースが多いです。
調整後は脚のロックナットをしっかり締めて固定してください。緩んだままだと、使用しているうちに再び傾きが生じます。防水パンを使用している場合は、パンの凹凸にあわせて脚の位置を合わせることも大切です。
洗濯量を適正量に減らす
洗濯物は定格容量の80%程度を目安に入れることが、振動対策として効果的です。
たとえば容量7kgの洗濯機なら、1回の洗濯量を5〜5.5kgに抑えると振動が起きにくくなります。洗濯物を2回に分けて洗うのは手間ですが、洗浄力の向上と振動の防止を同時に達成できます。
長い目で見るとモーターや部品の負荷も減るため、結果として洗濯機を長持ちさせる合理的な選択です。特に毛布や厚手のジャケットは単独で洗う機会が多く、水を含んだ状態では容量を超えやすいため注意が必要です。
洗濯槽の掃除・異物の除去
異物が原因の場合、まず運転を止めてから洗濯槽内を確認してください。
小さな異物は洗濯槽の穴から外槽との間に落ちていることが多く、懐中電灯で槽の内側を照らすと見つけやすくなります。細いピンセットや割り箸を使って取り出せる位置にある場合は自力で対処できます。
取り出せない場合はメーカーや修理業者への相談が必要です。無理に取り出そうとすると、槽や周辺パーツを傷めます。
定期的な洗濯槽クリーナーの使用で汚れの蓄積を防ぐと、異物が引っかかりにくい状態を保てます。予防策として月1回程度の槽洗浄がおすすめです。
内部部品の劣化は自力で修理が困難
サスペンションやダンパーの交換は専門的な工具と知識が必要なため、一般の方が自力で行うことはほぼ不可能です。
これらの部品は洗濯機の内部深くに取り付けられており、分解には複数の工程が必要になります。無理に分解すると新たな故障を招くリスクがあるため、メーカーや修理業者への依頼が安全な対処法です。
使用年数が7年以上の機種でサスペンションの劣化が疑われる場合は、修理費用と本体価格を比較した上で買い替えも検討する価値があります。
うるさい洗濯機の対策方法をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

縦型とドラム式で異なる直し方の注意点

縦型とドラム式では構造が異なるため、確認すべきポイントも変わります。自分の洗濯機のタイプを確認した上で、適切な対処法を選ぶことが重要です。
ここからは下記2つのタイプ別の注意点を解説します。
縦型は片寄りと脚のがたつきを優先確認
縦型洗濯機は、槽が垂直方向に回転するため、洗濯物の片寄りが振動に直結しやすい構造です。
まず確認すべきは洗濯物のバランスと本体の水平です。縦型は脚の調整で水平を取り直しやすく、比較的簡単に改善できます。洗濯物を均等に広げ直すだけで振動が収まるケースが縦型では特に多いです。
また、縦型は底部のパルセーター(回転羽根)に異物が挟まることも振動の原因になります。「ガタガタ」より「カタカタ」に近い音がする場合は、パルセーターの周囲を確認してみてください。
ドラム式は輸送用ボルトの外し忘れに注意
ドラム式洗濯機は引っ越し後や設置直後に激しく振動する場合、輸送用ボルトが外されていない可能性があります。
輸送用ボルトとは、配送中に洗濯槽が動かないよう固定する金属製のボルトのことです。設置時に必ず外さなければならない部品で、外し忘れたまま運転すると洗濯槽全体が異常な振動を起こします。
ボルトは本体背面に2〜4本取り付けられており、付属の専用レンチで取り外せます。引っ越し後に急にガタガタするようになった場合は、輸送用ボルトの確認を最初に行ってください。
実際に引っ越し後から脱水のたびに壁に当たるほどの振動が起き、輸送用ボルトの外し忘れが原因だったというケースがありました。
脱水中にガタガタして止まる場合の対処法

洗濯機が脱水中に停止する場合、ほとんどのケースで原因を特定できます。片寄りを修正して再スタートするだけで解決することが多いため、まず落ち着いて対処することが大切です。
ここからは下記2つの対処法を解説します。
エラーコードの確認と再運転の手順
洗濯機が途中で止まった場合、まず表示パネルのエラーコードを確認してください。
多くの機種でエラーコードが表示され、取扱説明書やメーカー公式サイトで意味を調べることができます。「U」や「E」から始まるコードは片寄りや水位異常を示すことが多く、洗濯物を入れ直して「スタート/一時停止」ボタンを押せば再運転できます。

再運転前に洗濯物を均等に広げ直し、大きなタオルなどは槽の内側に沿って丸め直すことが重要です。水が残っている場合は脱水のみのコースを選択して再スタートすると効率的です。

何度も止まるなら故障の可能性が高い
洗濯物を入れ直しても3回以上連続で止まる場合は、内部部品の故障を疑うことが必要です。
サスペンションの劣化、モーターの異常、排水フィルターの詰まりなどが重なると、片寄りを修正しても自動停止を繰り返します。繰り返し停止する場合は自力での対処が難しく、専門業者への相談が最短の解決策です。
異臭や焦げたにおいがする場合は使用を直ちに中止してください。電源プラグを抜いた上で、メーカーのサポートセンターに連絡することが安全です。
対処法も交え、洗濯機が焦げ臭い原因を詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

自分で脱水時のガタガタが直せない時は?

自力で対処しても改善しない場合は、修理か買い替えのどちらかを選ぶことになります。どちらを選ぶかは「修理費用」と「本体の使用年数」の2点を軸に判断するとシンプルです。
ここからは下記2つの判断基準を解説します。
修理を依頼すべきケース
購入から5〜6年以内で部品供給が終了していない機種であれば、修理を依頼することがおすすめです。
補修用性能部品の保有期間は製造終了後6年と定められています。これは全国家庭電気製品公正取引協議会「製造業表示規約」で規定されています。
部品が入手できる期間内であれば、修理費用は1〜3万円程度で済むケースが多く、買い替えよりコストを抑えられます。修理を依頼する際はメーカーのサポートセンターに連絡し、出張修理の見積もりを依頼するのが基本の手順です。訪問見積もりを無料で行うメーカーも多いため、費用を確認してから判断することをおすすめします。
買い替えを検討すべきケース
使用年数が10年を超えている場合や、修理費用が5万円以上になる場合は、買い替えの検討が現実的です。
一般財団法人家電製品協会のデータによると、洗濯機の平均使用年数は約10.8年です。10年以上使用した洗濯機は、修理後も他の部品が劣化しているため、短期間で再び故障するリスクが高くなります。
「修理費用が新品価格の50%を超えるなら買い替えが有利」という目安は修理業界で広く使われており、ひとつの判断軸として活用できます。
実際に「10年使ったドラム式を修理に出したら8万円と言われ、同価格帯の新品に買い替えた」という事例がありました。修理の見積もりを取ってから買い替えの可否を判断するのが最善の順序です。
脱水時のガタガタによく抱く疑問

脱水の振動については、よく寄せられる疑問が2つあります。防振グッズの効果と放置した場合のリスクについて、実態を正確に把握しておくことが大切です。
ここからは下記2つのよくある疑問を解説します。
防振ゴムや防振マットは効果がある?
防振ゴムや防振マットは、本体の水平が取れている場合に限り、振動と騒音を軽減する効果があります。
防振マットはゴム素材が振動を吸収することで、床への振動伝達を抑える仕組みです。1,000〜3,000円程度で購入でき、集合住宅での騒音対策として費用対効果の高いアイテムです。
ただし、本体が傾いていたり洗濯物が片寄っていたりする状態では、防振マットを敷いても根本的な解決にはなりません。水平の確認と洗濯物の調整を先に行った上で、防振マットを追加することが正しい順序です。
防振ゴムは洗濯機の4本の脚の下に装着するタイプで、ホームセンターや通販サイトで購入できます。設置場所が防水パンの上の場合は、パンのサイズにあった防振マットを選ぶことが重要です。
ガタガタしたまま使い続けると壊れる?
振動を放置したまま使い続けると、洗濯機の寿命を縮めます。
激しい振動は内部のサスペンションやモーター、軸受けベアリングに継続的な負荷をかけます。振動が大きい状態での使用を続けると、ベアリングやサスペンションが早期に破損します。
ベアリングが破損すると修理費用が高額になるケースが多く、早期の対処が結果的にコストを抑えることにつながります。
また、集合住宅では振動が床を通じて下の階に伝わり、近隣トラブルに発展します。振動が続く場合は早めに原因を特定して対処することが、家計にも生活環境にも重要です。
まとめ
脱水時のガタガタは、原因の大半が自力で対処できます。まず洗濯物の入れ直しと本体の水平確認を行い、それでも改善しない場合は部品劣化を疑って専門業者に相談してください。
使用年数が10年を超えている場合や修理費用が新品価格の50%を超える場合は、買い替えが有利です。防振マットは水平を整えた上で使うと、騒音・振動の軽減に効果を発揮します。早めに原因を特定して対処することが、洗濯機を長く使い続ける最善策です。

